出息入息

つい数ヶ月前まで普通に暮らし元気に過ごしていた方が、一ヶ月前に入院の知らせ、数日前奥さんが段取りした会合に、欠席、ご主人の容態が急変、そしてご逝去お通夜、「風の如く去りぬ」です。

代々の自転車店のオーナー経営者、自身自転車ツーリングの愛好家で折に触れてツーリング仲間とツアーを企画実行していた方でした。快活で体は頑強そのもの、病気など寄せ付けぬ「パワー」の持ち主でした。

ガンが見つかってから数ヶ月、あっという間に息を引き取ることになりました。享年85歳、大往生と言ってもいいのではないかと思います。生前にお別れをしないでしまいました。まだご逝去が信じられません。訪ねれば、博さんどうしたの、と笑顔をで迎えてくれる感じがします。親しかった人は皆同じ感想のようです。

通夜、葬儀、告別式に参列しながら実感は無し。今ご冥福をお祈りしながら思います。突然前触れないこのような去り方もいいなa、と。私たちの心に永遠に生きている感じがしますから。

出息入息 不待命終、人生の終い方をあらためて考えさせていただく機会になりました。

丁度この朝、円覚寺老師様が毎日綴られる「管長日記」に松原泰道老師の生き様が紹介されていました。「生涯修行、臨終定年」南無の会の会長であった松原泰道先生は、お亡くなりになる3日前にも近くの喫茶店でいつものようにご法話をなさっていたと言うことであります。

明くる日に入院されわずか間にお亡くなりになったとの事でした。

「衆生無辺誓願度」「生きとし生けるものが限りないが誓ってこれを救っていこう」このような生き方を生涯された聖人には遠く及ばないこととは承知しながら、斯く有りたい、と思う日となりました。