雪根開き
「雪根開き」 ゆきねびらき、と読むそうです。最近知りました。春先に周囲のどこよりも先に樹木の根元の雪が解け始める様子を言います。
40年ほど前、宮城蔵王山脈の麓にご縁を得たとき、毎年春先まだ雪が一面に残っている原野の立ち枯れたような林の木々の根元が一様に黒土が顔を出しているのが不思議でなりませんでした。
先日視察の途中泉ヶ岳のてっぺんにあるスキー場までオートバイを走らせました。頂上付近に近づくと雪が残り林が続きますが「雪根開き」現象が見られました。これだこれ、再び、なんだろうこれと思いながらバイクを走らせます。
帰宅して開いた立正佼成会会誌「会長法話」に雪根開きに触れられた一節がありました。「立正佼成会開祖の故郷菅沼の春、一面の残雪の中根本の土を丸くのぞかせた鎮守様の桜が明るく咲染める」と記されておりました。
一度訪れたことのある菅沼の様子が思い出されると共に、数十年にわたる疑問が、雪が解けるように「氷解」した爽快さを感じました。「シンクロシティー」とはこのことか。
「雪根開き」の原因は、気が吸い上げる地下水の温度の高さ、光を吸収する木の性質に依るなど考えられるようです。
困難な課題が多い社会にあって、「雪根開き」が自身から起きるような生き方がしたいものと思います。